呼吸および心拍動に同期した高精度放射線治療システムの基盤技術開発
【研究背景】
呼吸や心拍動による体内臓器の動きは、放射線治療の照射精度を低下させる大きな要因です。現在の同期照射技術は主に呼吸性移動を対象としており、心拍動まで考慮した治療技術は十分に確立されていません。本研究では、医用画像処理と生体信号解析を融合し、呼吸・心拍動の双方に対応できる次世代放射線治療システムの基盤技術を開発することを目的としています。
(本研究はJKAによる研究支援のもとで実施しています)
【研究進捗】
- 呼吸および心拍動を模擬したデジタル人体ファントムを生成できるツール(4D extended cardiac-torso: XCAT)を用いて、評価用の動的CT画像データを生成し、放射線照射の対象となる標的のセグメンテーションを実施できるようになりました(2026年6月)。

CT画像上に左心室の特定のセグメントの輪郭を表示させた例(左:コロナル面、右:サジタル面)
- 呼吸および心拍動を模擬した動的CT画像データを利用した放射線治療のシミュレーション(線量計算)ができるようになりました(2026年8月)。

様々な条件における線量計算の結果(左から、治療計画、通常照射、呼吸同期照射、呼吸・心拍同期照射)